325人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ
「安心しろ、頼みたいことというのはむしろ人助けに分類される」
「本当かよ……」
比泉が人助け……無理だ、想像できない。
「この後新山は空いているのだろう? それなりの報酬も用意するし、断る理由はないと思うが」
「なんでお前が俺の予定を把握しているのかはこの際置いておく。まあ、面倒なことじゃなければ構わないよ」
「そうか、では早速行くとしよう」
――――――
「で、結局頼みってなんなんだよ」
言われるがままに、比泉の後について青海町の歩道を歩いていく。
「とある人物からちょっとした仕事の依頼を受けてな、先日後一歩のところまではクリアしたのだが、そこから先は俺一人では少々厳しそうなのだ。要するに頼みというのは俺に当てられた依頼の手助けだな」
依頼? 先日? あと一歩?
思い浮かぶのは先ほどの日記帳もどき。
あと一歩、つまりアジトは発見したものの、敵は一人では手におえそうにないと。
これ……もしかして命の危険があるんじゃないか?
最初のコメントを投稿しよう!