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それから一週間、ネコの飼い主はまだ見つかっていないらしい。
ケガをしたネコの世話をする比泉……ヤバい、意外過ぎて笑える。
「新山、探したぞ」
いつも通り突然目の前に現れる比泉。
「実は新山に見て貰いたいものがあってな」
そう言って比泉が差し出してきたのは、一枚の写真。
そこには――日記帳と書かれたノートを開く俺のアップがバッチリ写っていた。
まさか、最初からバレて――
「新山よ、他人の私物を勝手に見るのは些かマナー違反だとは思わないか?」
不適な笑みを浮かべる比泉。
前言撤回。こいつはどこまで行っても――比泉紫苑だ。
END
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