しょーらいのゆめ

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 大学の講義を終えた帰り道、私、風見夏紀は物思いにふけっていた。  大学での生活が……楽しくないのだ。  青海学園を卒業して、親友の姫百合蓮とは別々の道を進むことになり、私は一人、また一から大学での生活を始めることになった。  でも……楽しくないのだ。  蓮は自らの夢を叶える為に、音大で日々努力を重ねている。  それに対して私は、ただなんとなく大学に進んだだけ……と、言えなくもない。  もちろん将来やりたいことがないわけではない。  ちょっと恥ずかしいから誰にも話してないけど、やりたいことはあるんだ。  けれど、それは本当に『夢』と呼んでいいものなのか、それがわからない。  夢っていうのはもっと、それこそ蓮の夢みたいに『歌手になりたい』とか、とても大きなものってイメージがある。  まあ要するに……私はハッキリ『夢』と言えるものを持たず、ただ漠然と過ごす大学生活が退屈になってきているのだ。
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