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青海学園での生活はただただ楽しかった。
親友の蓮がいて、馬鹿騒ぎする望や比泉くんがいて、そして……亮介がいた。
あそこではそれこそ、退屈を感じる暇なんてなかった。
お母さんは大学在学中に結婚しちゃったらしいけど、私はこの先どうなるんだろう。
初恋は……もう実ることはないだろうな。
そもそも、自分がウエディングドレスを着ているところなんて想像もできない。
いや、着てみたいとは思うけど……
「あれ? もしかして夏紀ちゃん?」
一人考え事をしながら歩いていると、知り合いの主婦さんに声をかけられた。
「あ、月宮さん、こんにちは」
「やっぱり夏紀ちゃんだ! わー、しばらく見ない間に大きくなったねー」
月宮樟葉(つきみやくずは)さんは私のお母さんの友人で、最後に会ったのは確か二年前くらいだったかな……
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