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次の日……
さっそく来て欲しいと言われていたので、私は夕方に月宮家を訪れていた。
「こんばんは。今日はよろしくお願いします」
「いらっしゃい夏紀ちゃん。今日は夏紀ちゃんが先生なんだから、そんなにかしこまらなくてもいいのよ」
先生……か。
まさかこんな形で、夢の欠片が叶ってしまうなんてね。
「それじゃ、娘の部屋は二階にあるからお願いね。後で飲み物持って行くから」
「はい。ありがとうございます」
キッチンに入っていく月宮さんを見送った後、すぐそこにあった階段を上って二階に上がる。
二階には一つだけドアが閉まっている部屋があったので、恐らくここがそうなのだろう。
娘さんは中学二年生らしい。うー、ちょっと緊張する。
コンコンとドアをノックしてみると、部屋の奥から足音が近づいてきて、ゆっくりと扉が開け放たれた。
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