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目の前に現れたのは、小学生と見間違えてしまいそうなほど小柄な少女。
中二の頃の千秋よりも幾分小さいように思う。きっと朝礼の時なんかは一番前に並んでいるだろう。
「えと、えと……は、はじめましゅて!」
あ、噛んだ。そして恥ずかしそうに口元を隠してる。
うわー、千秋も年齢よりずっと幼く見えるけど、この子はそれ以上だ。
「慌てなくていいから、落ち着いて……ね」
「ひゃいっ! じゃなくって……はい」
「うん、よくできたね」
頭を撫でてあげると、少女はわかりやすく顔を綻ばせる。
やばいなー、ハマりそう。
とりあえず自己紹介からかな。
「えっと、お母さんから聞いてると思うけど、今日からキミの家庭教師をすることになりました、風見夏紀です。キミの名前は?」
「月宮……柚葉(ゆずは)です」
「柚葉ちゃん、今日はよろしくね」
「ひ、ひゃいっ! よろしくお願いしましゅ!」
うーん、落ち着きないなー。
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