しょーらいのゆめ

6/11

325人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ
 目の前に現れたのは、小学生と見間違えてしまいそうなほど小柄な少女。  中二の頃の千秋よりも幾分小さいように思う。きっと朝礼の時なんかは一番前に並んでいるだろう。 「えと、えと……は、はじめましゅて!」  あ、噛んだ。そして恥ずかしそうに口元を隠してる。  うわー、千秋も年齢よりずっと幼く見えるけど、この子はそれ以上だ。 「慌てなくていいから、落ち着いて……ね」 「ひゃいっ! じゃなくって……はい」 「うん、よくできたね」  頭を撫でてあげると、少女はわかりやすく顔を綻ばせる。  やばいなー、ハマりそう。  とりあえず自己紹介からかな。 「えっと、お母さんから聞いてると思うけど、今日からキミの家庭教師をすることになりました、風見夏紀です。キミの名前は?」 「月宮……柚葉(ゆずは)です」 「柚葉ちゃん、今日はよろしくね」 「ひ、ひゃいっ! よろしくお願いしましゅ!」  うーん、落ち着きないなー。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

325人が本棚に入れています
本棚に追加