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「やっぱり、ダメですよね……こんなんじゃ」
「え?」
しゅん……と、柚葉ちゃんの表情が沈む。
「私、将来は幼稚園の先生になりたいんです」
「そうなんだ、素敵な夢じゃない」
「だから頑張って勉強してるんですけど……こんなんじゃ面接とかで絶対落ちちゃうし、もし受かったとしてもきっと変な先生だって思われちゃう。風見先生は凄いですね。美人で、かっこよくて、勉強もできて……私なんかとは全然違う」
凄くなんかない。
私からすれば、こんなに早くから将来の夢と呼べるものを持っている柚葉ちゃんの方がずっと輝いて見える。
その為に頑張ってるんだって思うと、応援してあげたくなってしまう。
「ねえ、柚葉ちゃん。柚葉ちゃんはお料理できる?」
「お料理……ですか? 簡単なものならできますけど……」
あー、やっぱりできるんだ。
女の子だもんね、ちょっとショック……
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