しょーらいのゆめ

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 帰り際、月宮さんに今日の分のバイト代をもらったのだけど…… 「ちょっと、多すぎるんじゃないかな……」  家に帰ってから中身を確認してみたところ、一日の授業料としては破格のお金が入っていた。  結局、将来の夢の話が半分以上を締め、勉強はほとんど進まなかったので、かなり心が痛い。  帰り際に「ありがとう、夏紀ちゃんに頼んで本当に良かったわ」って言っていたけど、あれはどういう意味だったのかな……  でも、『ありがとう』って言ってもらえるのは、やっぱり嬉しい。  もし将来の夢を叶えて、本当の『先生』になったら、もっとたくさんの子供達からありがとうって言ってもらえるかな……  退屈だった生活にも、家庭教師のアルバイトという潤いが加わり、将来の夢を確立することができて、今日はなんて良い一日だったんだろう。  退屈を感じていた自分はもうどこにも存在せず、気づけば私は、明日の授業のために、押し入れに閉まっていた中学校の教科書を引っ張り出すのだった…… END
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