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幼い頃にイジメを受けていた影響で、私は他人と会話することが出来なくなっていた。
決して喋れないわけではない。会話が出来ないのは、ただ私が臆病だから。
それでも私は一人の男の子との出会いによって、ほんの少しだけど前に進むことが出来た。
けれどそれはやっぱり他の人とは違くて、そういった『違い』がイジメが始まるキッカケになることも、私は経験上理解している。
私が人と『違う』限り、この立ち位置が変わることはないのかも知れない。
それでも、歩くことをやめてしまったら、僅かな可能性すらも消えてなくなってしまうんだと、彼は私に教えてくれたから。
始めは小さな一歩でも、少しずつ、少しずつ前に進んで、自分の立ち位置を変えていく。
今回はきっと、そんなお話。
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