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2月14日、チョコレートがたくさん売れる日。
私、姫百合蓮(ひめゆりれん)は目の前の光景に絶句していた。
朝、親友の風見夏紀(かざみなつき)と一緒に登校し、いつも通り靴を履き替える為に自分の下駄箱を開けた夏紀。
その中にはなんと、どうやって詰め込んだのか、数十個の小箱(おそらくチョコレートだろう)が詰め込まれていたのだ。
面倒見のいい性格のせいか、夏紀は男女共に人気がある。
去年も同級生の何人かから求愛されていたけど、今年は段違いの量だ。
私たちも二年生になり、後輩ができた。年下の女の子から見れば夏紀は頼れる先輩……いや、『お姉様』って印象かな?
「うわぁ、すごい量だね……」
下駄箱に詰め込まれた小箱を一つ一つ丁寧に取り出していく夏紀を横目に、私も自分の下駄箱を開く。
中には大量の小箱……などはもちろんなく、代わりに数枚の封筒がハラハラと落ちてきた。
「またラブレター? 相変わらずモテるわね」
そう言ってため息を吐く親友に笑みを浮かべながら、床に落ちた手紙を残さず拾い上げてその場はひとまず鞄の中に詰め込んだ。
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