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自分を痛めつけることに飽きた女生徒達が去ってから、私は一人、昇降口まで歩いてきていた。
自分の下駄箱を開けるも、靴が見当たらない。
仕方なく、上履きのまま校舎の裏へと向かう。あの窓から投げ捨てたのなら、そこに落ちているはずだ。
どうせもうあちこち傷だらけで埃だらけ。今更汚れるのを気にするのも馬鹿らしい。
私は地面に膝をついて、茂みをかき分けてぬいぐるみを探す。
「…………優羽ちゃん?」
声をかけられた方に視線を向けると、そこには大きなゴミ袋を抱えたお兄様の幼なじみ、姫百合蓮さんが立っていた。
私も小さい頃によく遊んでもらっていたので面識がある。
そういえば蓮さんも同じ中学生だったんだっけ。
校舎裏の焼却炉にゴミを運ぶ途中だったのかな。
「優羽ちゃん! どうしたの!? いったい誰がこんな……」
元々意識が朦朧としていたのに加え、蓮さんが来てくれたことによる安心感からか、私は駆けつけてくれた蓮さんの腕の中で気を失ってしまいました。
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