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お姉ちゃんは大学生で学校が違うので、家を出て登校する時はお兄ちゃんと二人きりです。
ですが、それも束の間――
「おっす、亮介! 千秋ちゃんもおはよう。今日も可愛いね」
と、二日に一度くらいの割合でお隣さんの久世先輩と遭遇してしまいます。
久世先輩は優しくて良い先輩なのですが、千秋はお兄ちゃんと二人で登校したかったからちょっと残念。
「兄ちゃん……おはよ」
更に、その後ろから今年こっちに引っ越してきた久世先輩の従姉妹の百合ちゃんも顔を出します。
百合ちゃんはクラスは違うけど、同い年で仲の良いお友達です。
でも……
「えっと、百合ちゃん? どうしたの?」
「…………だめ?」
「いや、ダメってことはないけど」
千秋が繋いでいるのとは反対の、お兄ちゃんの左手を握る百合ちゃん。
お兄ちゃんは千秋のお兄ちゃんなのに……ちょっと嫉妬しちゃいます。
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