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「鈴ちゃん……ダメだよ」
「えぇー、千秋ちゃんはいつも家で一緒なんだから今くらいあたしに貸してよー」
「……ダメ」
「ちぇっ、残念ですぅ」
百合ちゃんは渋々といった様子でお兄ちゃんから手を離し、今度は千秋の隣に並んで手を取りました。
「先輩がダメなら千秋ちゃんにくっつくですぅ」
「あぅ……恥ずかしいよ鈴ちゃん」
鈴ちゃんのこういう気さくなところは羨ましくもありますが、時々ちょっと困っちゃいます。
そうこうしている間に学園に到着。
ニ年生とは下駄箱が違うのでお兄ちゃん達とはここでお別れです。
「んじゃ千秋、また夕飯でな」
「うん……ちゃんとお勉強してね、お兄ちゃん」
「うっ……努力する」
二年生と別れて、私と鈴ちゃん、百合ちゃんは一年生の教室が集まる階層へ。
「それじゃあ……また」
「まったねー」
「またね、百合ちゃん」
百合ちゃんだけはクラスが別なので、百合ちゃんの所属する一年四組の教室の前で別れました。
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