325人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ
もうすぐ二学期が終わって夏休みに入るせいか、千秋と鈴ちゃんが所属している一年一組の教室はもうすぐホームルームが始まる時間だというのに妙に騒がしかった。
千秋はあまり賑やかなのは得意じゃないので、少し居心地が悪いです。
「千秋ちゃんはさ、夏休みどうするの? なにか予定ある?」
私の前の席に腰かけた鈴ちゃんにそう聞かれた。
「まだ、特にない……けど。夏祭りには行こうと思ってるよ」
「そっか。ならさ、今年の夏休みはあたしとパーッと遊ばない?」
鈴ちゃんと遊ぶのは楽しいから、断る理由はない。
お兄ちゃんとも遊びたいけど、きっとお兄ちゃんの方はあまり時間取れないだろうし……
「うん……いいよ」
「やった! 当然夏祭りもあたしと一緒にねっ!」
「えっ、その……夏祭りはお兄ちゃんと……」
「それはダメー。今年の夏祭りは先輩と行ってはいけませーん。先輩と夏祭りに行っちゃったら、千秋ちゃんきっと後悔することになるですぅ」
「えっと……どうしてそう思うの?」
「んー、詳しいことは話せないんだけど、まあ占いみたいなものだよ。ていうかあたしが千秋ちゃんと夏祭りに行きたいのっ! 先輩に千秋ちゃんは渡さないですぅ!」
「り、鈴ちゃん……大きい声で恥ずかしいこと言わないで……」
親しくしてくれるのは嬉しいんだけど、たまに行き過ぎて困っちゃいます。
最初のコメントを投稿しよう!