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「『好き』って気持ちがわからない……ねえ」
私の話をすべて聞き終えてから、望がぼそりと呟いて目を伏せる。
自分でも、おかしな悩みだと思う。
私は今まで『恋』という感情を持ったことがない。
望とは小さい頃から一緒にいて、それなりに仲が良いつもりでいるし、可愛くないところもたくさんある幼なじみだけど、私はそんな望が大好きだ。
けど、きっと望に対する気持ちは『恋』じゃない。
夏紀に抱いているものと同じ、『友愛』と呼ばれる類に入る感情だ。
同じ『好き』でも私が望や夏紀に抱いている感情と、手紙をくれた人達が私に抱いてくれている感情は同じものではない。それはわかる。
ほとんど話もしたことがないのに、手紙をくれた人達は私のどこを『好き』になってくれたんだろう。
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