塾の講師

3/13
前へ
/63ページ
次へ
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/04(木) 14:12:12.83 ID:4QDc0c6v0 近づいたけどなんか俺には気づいてない。 「初めましてw」 ついつい耳が聞こえないののを忘れてそんなことを言ってしまったw 声にではなく存在に気づいたようで軽く会釈をしてきた。 見た目からは全く判断できない。 白のカチューシャをしたその子は円らな瞳を俺に向けたんね。ホント見た目は普通の女の子。白のワンピースを着ていたのを今でも覚えている。それと一番の印象は綺麗な髪だった。肩まで伸びた黒髪。今も昔も髪型は変わらない。ストレートの黒髪。 その髪の毛の間から覗く補聴器。ああ、そういえばこの子は耳が聞こえないんだった。 そんで、無神経にもほどがあったんだが俺は自分の耳を指して「聞こえないんだっけ?」なんて言ってた。それも彼女には聞こえないのになw そしたユウは「はい」って言った。 たぶん動作で分かったんだろう。 意外にもはっきりとした口調だったことには驚いたね。 俺は少しドギマギしながら彼女の隣に着いた。 それと同時にユウはノートとテキストを開いた。 「ここからここまてがしゅくたいてす」 ん? 「しゅくたいてす」 あー、宿題ね。 やっぱなんか発音がおかしい。これが難聴者なのかと。 今でこそ『難聴』について詳しくなったものの、この時はマジで焦ったw 幼稚園生、いやそれ以下が話すような喋り方を時たまするからね。 それに声がちょっと大きい。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

58人が本棚に入れています
本棚に追加