一人目

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「それでは、最初の一人といきましょうか」 「えぇ~」 「不満も分かりますけどね。これは貴女のためを思って────」 「あー、はいはい。分かってます」 いっちゃんが説教モードに入りそうだったから、私はすぐに止める。 「全く………。それでは、これが対象者です」 いっちゃんから履歴書みたいのを渡される。履歴書って………。 「神月亜理夜(こうづき ありや)。………可愛らしい女の子だね」 「任せましたよ?」 「りょーかい。殺し方はどーでも?」 「いいですが………ちゃんと殺してくださいね?」 分かってるよ。なんとなくそう言うのはやめて、私は下界に向かった。 「そうそう、一つ言い忘れが。別に、一人で行かなくても大丈夫ですよ?」 「あー、まぁいいや。流石に人を殺すところを見せたくないしね」 「そうですか。なら、お気をつけて」 「行ってくるよ、いっちゃん」 私は下界に降りた。さぁて、初めての人殺しだ。やれやれ、まずは人探しからだね。 ちなみに、天使の羽や輪っか、鎌は隠してある。というより、見えなくしてある。 天使には魔法みたいのが使えるからね。便利便利。有効活用だね。 「どこかな~。初めてだし、流石に緊張するよ。…………あんまり殺したくないけど」 とりあえず神月亜理夜さんを探そう。話はそれからだ。
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