プロローグ

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人間の住まう人間界。通称下界には、多くの命がある。そして、その多すぎる命は、時に変なオーラを持って生まれる命を作り出す。 そのオーラを持った命が近くにあると、周りの人間が次々と不幸になるらしい。 らしいと言うのは、いっちゃん(一番目の大天使様。本来は大天使様と崇めなければならないのだが、私は特別にいっちゃんと呼ぶことを許されている)がそう言っていたからで、他の天使はそんなことしらないからだ。 そしてそのオーラを持った人間を殺すのが私の役目。それで人間界は均衡が保たれるらしい。なら、私の能力を活かさない手はないとの考えらしい。 確かに、表だったイジメはないし、そんなことがいっちゃんの耳に入れば即座に罰を与えるだろうが、それでも無視はされる。 友達がいないわけじゃないけど、やっぱり少ない。それに私は、人間界にいることのが多いし。 永遠の時をこのまま過ごす。常に人を殺し続け、天使に無視し続けられ、数少ない友達を頼る。ずっとこんな生活を続けていくんだ。私は。 今日から私は死神。白き翼を持ち、黄色の輪っかを頭に乗せて、命を狩り取る鎌を持ち、人間界に向かう。 だけど私は天使なんだ。いくら人を殺し、死神になろうとも、私は天使なんだ。 忘れてはならないこの気持ち。私が天使の気持ちを忘れ、ただの死神になってしまったら、いっちゃんや他の友達に見捨てられる。 それは、嫌だから。
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