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──肌寒い夜、
冷え込んだ遊具が立ち並ぶ広場に京一はいた。
京一「じゃあまずは、商店街でもぶらついてみるかぁ……」
優「あぁ、そうだな」
……………。
………。
商店街は多くの声や色が溢れていた。1日のなかで一番華やいでいる時間帯に、二人はクラスメイトの笹木に会った。
笹木「あ……、えっと、こんばんわ」
優「こ、こんばんわ……」
京一「買い物?」
笹木「えぇ、そんな所です。そ、それでは……」
京一「お、おう!またな!……そうそう、神隠しには気を付けろよなー」
笹木「……はい。」
笹木の去り際にやや大声で注意を促す京一に、優も笹木もたじろぎながらその場を後にした。
2人は笹木とあまり話した事がなかった。ただ見た感じは、おとなしめで理知的な女子という感じだ。長髪で丸眼鏡をかけていて、クラスではあまり目立たないが美人な顔つきである。
…………。
……。
──商店街から離れ、ちょっとした暗い路地裏に優は案内された。
京一「ふぅ~、ここが神隠しの噂の中でも一番危ないと言われている路地裏だってさ。……さすがに、一人で歩くには淋しすぎる所だな。」
優「いいのかよ……、ここ危ないんだろ?」
京一「まぁ、暫く待ってみようぜ!」
優「……。」
優には、嫌な予感しかしなかった。
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