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優
近辺は特に人気がないわけでもないのに、何故か物悲しい空気を出す路地裏に優は恐怖した。
優「どれくらい待つつもり?」
京一「んー……、まぁ、こんな寂れた路地裏に居てもしょうがないからな。……数分ぐらいかな?」
優「まぁー、そうだよなぁ……」
辺りは沈黙。
所々落書きがしてある寂れた壁。
たまに音がしたような錯覚がするぐらい静かな空間。
その沈黙を破るように、優が京一にゆっくり話し掛けた。
優「沙子さぁ……、最近生徒会の仕事で忙しいみたいだぜ」
京一「ふーん、まぁ大雑把に見えて責任感強いからなぁ~沙子はさ」
優「……真面目に言うけど、案外良い奴だよな。性格も素直なタイプだしさ」
京一「お!、優さーん意外だなぁ~沙子誉めるなんて。なに、好きなの?」
優
優「はは、周りの女子と比べたらの話だよ。……でもまぁ、あいつと付き合う奴っていうのも良い趣味してると思うよ。……あ、普通に良い意味でな」
京一「だよなぁ~、分かる気がするよ。お、俺、告ってみようかなぁ~はは」
優「おいおい~、冗談半分は傷つけるぞ」
京一「いやいや~、真面目にだよ~。ははは」
京一は笑ってはいたものの、何かとてつもない安堵と決意を優は感じた。
優
それでも、友人の背中をさりげなく押してあげた自分に対し、恥ずかしながらも自己満足に浸っていた優だった。
優「じゃあ……そろそろ引き上げ……」
「ガシャーン」
突如として、路地裏から大きな音がした!!
京一「誰だ!、そこにいるやつッ!!」
京一は咄嗟に身構えて、音のする方に叫んだ。
刹那の差に優も構えた。
……………
………
…暗がりで見えないが、何かいる!!
二人は恐怖しながら、音のするほうに向かっていった!!
…そこには!?……
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