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暫くすると、小姓が着物を持って来たのか、襖越しに伸之と孝介に話しかけて来た。
小姓「失礼致します、お召し物を持って参りました。」
伸之「あ、ごめんね。入っていいよ。」
小姓「失礼致します。」
襖が開き、小姓が箱を持って入って来た。
小姓「こちらのお召し物にお着替え下さい。」
そういうと小姓は着物が入っていると思われる箱を開けて、中から着物を取り出した。
伸之「中々良い物だな。」
孝介「まぁ、確かにな。」
伸之「ちょっと、そこ君。」
小姓「はい、なんでしょうか?」
伸之「お互いに名前知らないよね?」
孝介「そうだな。」
小姓「失念しておりました…」
伸之「気にする事はないよ。俺は上月伸之。」
孝介「俺は錦城孝介、よろしく頼む。」
小姓「某は池田勝三郎と申します。至らぬ事がありますが、よろしくお願い致します。」
伸之「!?」
(池田恒興かよ!?)
孝介「礼儀正しいいい子だね。」
伸之は池田恒興の存在に気が付いた様だが、歴史についてあまり詳しくない孝介は見事にスルーしていた。
勝三郎「いえ、まだまだ不肖の身でございます。」
伸之「信長とは仲良いのか?」
勝三郎「信長様とは乳兄弟でありますが、信長様は主君、某は家臣であります故、恐れ多い事で御座います。」
伸之「そっか。」
(大した忠誠心だな。)
孝介「勝三郎、悪いが着付けを手伝ってくれまいか?」
勝三郎「はい、只今!」
伸之「孝が終わったら、俺のも頼むわ。」
勝三郎「承知致しました!」
勝三郎は伸之と孝介の着付けを手伝い始めた。
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