三、心

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朝、自然と目が覚めた 京にいた頃は、起こされるまで起きなかったというのにと、自分の変わりように驚き苦笑した 体を起こし、すぐに上着を羽織る 昨日、あんなに考えていた事が嘘のように吹っ切れていた 新選組はまだあるんだ 島田や蟻通達が残っているじゃないか、と ========= 広間に行くと、新政府軍の総攻撃の噂は、誰もが知っていた 「土方君!」 自分を呼ぶ声がした 振り向いて見ると、総裁である榎本武揚がいた 「榎本さん どうしたんです」 「いや、君 昨日の夜は見なかったが、何かあったのかい?」 「すみません ちょっと考え事があったので」 広間には、箱館政府の重要人物たちが既に数人集まっていた  
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