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「んぁ?」
いつの間にか寝ていたらしい
しかしまだ暗い
むくりと布団から起き出し、障子を少しだけ開け、外を見てみる
「あ…あれって」
昨日見た立派な門
やはり気になる
何かを感じるのだ
綾乃は、四人に気付かれぬようにすぐに着替えて外に出た
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「うわぁ~立派だな~」
寺や神社などに日頃行かなくても分かる程、その門は立派だった
門には扉は無く、中に入れるようになっている
綾乃は、導かれるようにして門をくぐり、本堂と思われる方へ歩いて行った
「あ、お賽銭お賽銭」
ここまで来たのだから、お参りはするべきだ
自前の鞄から、お財布を取り出し、小銭を出す
カラン コロン
目を閉じ、手をあわせる
「良い子だね」
突然声がした
若い男の声
それも、とても近くで
驚いて閉じていた目を開けると、賽銭箱に男の人が座っていた
声もでないというのは、こういう事なんだろう
さっきまではいなかったはずだ
「あれ?どうしたの?
そんなに驚かれちゃ、こっちもやりにくいんだけど」
知るか!驚くのが当たり前だ!と言いたいが、言えない自分がいた。
「君、自分探しをしてるの?」
「え?」
やっと声が出た
しかし、なんでこの人が私の事を知っているんだ?
「君ね、絵馬掛けるだけなら良いけど、お賽銭入れられるこっちの身にもなってくれる?」
何なんだ…コイツ
「絵馬は願い事の証拠になるし、お賽銭は対価
だから、僕は君の願いを叶えなくちゃいけない」
「え?」
私の反応に、男の人はうんざりしているようだ
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