1人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
裾から見える白い腕は、もう何年も日に浴びていない。
心にあるもやもやも吐き出せないまま、いつしか話す事さえ諦めてしまった。
こんな都会の空気でも綺麗だと感じれるのは、病院の臭いだけが空気だったからだ。
頑張る事も、我慢する事も、何年もここにじっとしているのも、もう何もかも嫌になりました。
それはいつからだったのか覚えていないけど。
それが限界になりました。
何度も書き直したその紙を強く握りしめ、一点を見つめ走り出す。
走る動作は覚えているのに、感覚を忘れてしまって上手くいかなかった。
最初のコメントを投稿しよう!