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手すりに手を掛けて、震える足を落ちつけながらようやくフェンスを乗り越えた。
反対側に降りるのに、落ちないように必死になっている自分に気付き苦笑する。
後悔なんか何もない。目を瞑り、少し身を乗り出した。
この後の事を想像し、一瞬だけ思い出したのは両親の顔。
私がいなくなって悲しむのは世界中で二人だけだ。
さぁ行こう。
私の髪をなびかせ、その時強い風が吹く。目を閉じたまま反射的に顔を逸らした。
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