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『じゃぁ確かめてくる。』
身を乗り出して、その彼は本当に飛ぼうとしている。
『だ...だめっ!!』
唐突に出た言葉に、私自身が戸惑う。
『なんで?』
透き通るような白い肌は、私と同じだった。あどけなさの残る彼の眼差しは、私の答えを期待しているような顔をしている。
太陽が暑くて、冷たい汗が幾度も背中を伝う。
まるで誰かに操られてるように、心臓のポンプが音を立てて聞こえる。
『......悲しいから...』
言葉につまり、やっと答えが出た。掴んでいた手に再び力を入れて流れて来た涙を、汗と一緒に拭った。
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