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『うん。俺も悲しい。』
切なそうな顔をする彼は、全て分かっていたんだと思った。
私が飛び降りようといていた事も。
本当は死にたくないと思っていた事も。
『元気になったら!』
彼は一歩一歩近づいて来て、小指を立てる仕種をする。
『元気になったら、デートしよう。』
優しく見つめられた眼差しを逸らす事が出来ずに、頬が熱くなるのをただ感じていた。
『うん!』
小指を絡めて指切りをした。
一目惚れ。初めて外の世界で恋をした。
『来年までいつもここにいるからさ。』
『元気になったら迎えに来て。』
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