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轟音が聞こえ、瓦礫の元におばさんと紳士が来た。
「まぁ…!?小さな子が二人も大怪我をしているわ…!大変」
おばさんは、たた、と駆け足で二人の少年に近づきそおっと抱きかかえ胸に耳を当てた。
確認することは1つ。
「心臓の音はしてる…でも」
「そのそっちの青年からは聞こえない…そうだろう?」
空からおばさんと二人の少年の様子を見ていた紳士は、ふわ、とおばさんの元に降りてきて言う。
「この子は…助からないのかし「私がそっちを助ける、貸せ!」
少し無理矢理に背が高いほうの少年を掴み、またふわりと宙に浮く紳士を見て、おばさんは
「では、よろしくお願いしますね?」と優しく。
微笑む老婆を見て、なんともいえない被り物を被りながら、
紳士は問う。「それは私を信用しているつもりか?それともこの少年が赤の他人だからか?」
問われた方は表情を崩さず微笑んだまま、
「もちろん、あなたを信用してますとも?それを被る前のあなたの素顔は、とても優しそうな顔でしたもの。」
「……変わった人間もいるものだな…。」
紳士はふん、と鼻で笑い「ならばそっちは頼んだぞ?」と小さく呟き消えていった。
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