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目覚めてはじめての人とのコンタクト。
それだけじゃない。
まともに人とコンタクトを取れたのは………何年振りなのだろう?
とりあえず、涙が出た。
「うぇッ…えぐ…ひッく…」
「よしよし…大丈夫クロちゃん?」
「なッ、なんで…オレの名ま―「あ、おばちゃんの名前はチハルって言うんだよ?兄さんから聞いてないかな?」
本当にびっくりして一瞬涙が止まった。
チハルさん
確か病院にいるんじゃなかったっけ…?
オレは呆然とその老婆を見た。
「あの…チハルさんは…ご病気だったんじゃないんですか?」
ちょっと悪いとか思いつつ勇気を出して聞いてみた。
「クロちゃんの、お兄さんのお陰じゃないのかしら?」
「ふぇ!?」
「奇跡的に治ったなんて、お医者様に言われたら、つい…ね!」
「あ…そっか…」
会ったわけじゃないのか…
しゅんと落ち込む。
そんなオレを見て、チハルさんはぎゅっと抱きしめてくれた。
まるで本当の
お母さん みたい
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