2人が本棚に入れています
本棚に追加
「…………おかけになった電話は…」
ぷつり。
何度かけても同じアナウンス。
何度も何度も同じ言葉をきかされる。
私は無言で携帯を閉じた。
チクリ…
ぁあ…私は何をやっていたんだろう。
下っ腹の痛みが増してくる。
いくつも同じように並べられた布団の上に寝そべる女の子達。
むくりと私は起き上がった。
まだ少し麻酔が切れていない頭でフラフラと歩く。
「あら…佐伯さん、もう大丈夫なの?」
ドアを開けるとさっき私を案内してくれた看護婦に出会った。
「………は…い」
頭がふらふらする。
「本当に?診察するからあそこに座っておきなさい。」
そう言って待合室へと優しく体を押してくれた。
最初のコメントを投稿しよう!