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上手く頭が回らない。
だから涙もでてこない。
あ~…終わったんだ…
ただそう思った。
待合室でぼーっとしてると私と同い年くらいの男の子が少し離れた場所へ座った。
凛とした顔は真っ直ぐ前を見ていて、どこか哀しげだった。
ガチャリと扉が開く音がすると、さっき私が出てきた扉から誰かがでてきた。
男の子はハッと立ち上がり扉へ駆け寄る。
ひとつの影は一度視界からいなくなって、ふたつの寄り添う影がゆっくり現れた。
男の子は女の子を支えて、女の子は涙を流していた。
ぽたりぽたり。
涙が床にこぼれ落ちて染み込んでいく。
ぽたりぽたり。
冷たい涙が私の手に落ちていく。
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