夜明け

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ベッドから降りようと体を反らす。 ぎゅっと声の主は私の手首を掴んだ。 ――――帰らないでくれ。 そういいたげな気持ちを込めてぎゅっと掴む。 無理やり振りほどいてしまえばこんな手すぐにほどけてしまう。 だけど私はそうはしない。 体をベッドに戻して声の主にそっとキスをする。 私の長い髪の毛があなたの顔を隠さないように耳にかけながら。 優しく、優しく。 あなたが愛しくてたまらない。 そんなキスをする。
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