暗暗裏-アンアンリ-

1/1
前へ
/43ページ
次へ

暗暗裏-アンアンリ-

孤独蝕む家 冷めた食事一つ 暁の頃 私だけの貴方になる かかとすり減る靴 埃被る写真 色褪せた鈍色で 飾る虚勢虚しく 風見鶏はかろうじて北を指していた かたかた揺れる様をただ眺め 霧雨降り烟ケムる 貴方の顔霞みゆく 暗鬱立ちこめる雲は私か 両端細い箸 紅白なら鮮やかな方 口を湿らすのに丁度いい 四番目に大きい鍋で 盛大な晩餐 風見鶏はもう北を指してくれない  
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加