第六話「俺と幼女と終わるNEET」

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AZ「この神社も久しぶりですね」 公園へ入る石段を一段登った瞬間その男は大量の自衛隊隊員に包囲された AZ「ほう?これはこれは」 奈土「来たわね、AtoZ」 大規模なテロが起きる可能性がある その情報を仕入れてきたのは諜報部だった 本来なら数人単位で警護に当たるのだが今回の情報には一つ大きな危険性があった 『おなべのふたのそこ』が動いている だからこそのこの50人を超える隊員数 怪人ならともかく幹部クラスの行動にはそれでも足りない AZ「おやおや、あなたの顔を見るのも4年ぶりですね」 細目のその顔からは口からしか表情がわからないが… 男はにたーという感じで笑っていた 白「G部隊も展開しています、悪いですが5年前の事件の件も合わせてお縄にかかっていただきます」 白が隊長を務める機械化部隊G部隊 これでダメなら自衛隊にこいつを倒すすべはない 白の合図で隊員たちがじわじわと包囲を狭めていく 奈土「気をつけて…こいつは只者じゃないから」 AZ「いいのですか?私に…不用意に近づいて?」 その瞬間、悪寒のような感覚がその場の全員に走る 奈土「…!…!!」 白「…」 隊員A「…!!……!!…!!」 隊員B「…!!…!!」 無音 この男の射程範囲全ての音が消し飛んだ 男の顔はさっきから変わらない 薄気味悪いニヤケ顔 風の音 うるさい祭りの音 隊員たちの足音 そして私たちの声 全てが静寂にかき消される その静寂にその男の声だけ響く AZ「私の能力はS、SilentのS」 隊員たちに動揺が走る それはそうだ 全ての音がいきなり遮断さたのだ 五感の一つを失うだけでどんなに屈強な人間だろうと… あっけないほどに弱くなる 隊員A「……!!」 混乱した隊員の一人が男を取り押さえようと前に飛び出した ダメ!! 白と奈土の声は届かない 全ては無音 次の瞬間、隊員たちの目の前には首から上がなくなった仲間の姿 鋭利な何かで切断されたそこからおびただしい量の血の雨が未だに動き続ける心臓の脈動に合わせ隊員たちに降り注ぐ
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