第三話「俺と幼女と裏町商店街」

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勢い良く地上へと飛び出す 目に見えたのは客がいなくて通りすぎようとする ガチャ「ニジ!しがみついとけ!飛び移る!!」 ニジ「わかった!」 ガシっと俺の服が握られる うほ、すごく首が絞まります 電車のサイドミラーを通して運転手が止まろうか?と合図する 俺はそのまま行けとウインクで返す そういう仕様 ガチャ「ラディカルグッドスピード!脚部限定!!」 って叫べば早く走れる気がする 通りかかった電車が某O県の最新鋭路面電車『HOMO』でよかった 障害者、老人用の取っ手と車椅子用の足場がある 日に数本しか通ってないのにこれは幸運だ 飛び移るのも簡単だった 俺は停留所で立ち往生するモヒカン軍団を尻目に道路を進んでいった ついでにニジの尻を逃げる途中モミモミしていたが本人は気づいていない様だ 車掌「入れ!」 ドアが開く 中はいつもどおり空っぽ 乗客は俺ひとりだ 車掌「またおまえか」 はい、また俺です 「すまんな」と体裁上謝っておく 全盛期の俺なら謝ってなかった ガチャ「二丁目劇場まで頼む、追われてるんだ」 車掌「相変わらず敵の多いことだ」 本来ならこの電車は駅前まで行く 途中で路線変更する二丁目劇場まではいかない だがここの車掌は快く引き受けてくれ 理由はいろいろあるが 一つは客がいないことだ もうひとつはこの電車を運営する会社には俺に大きな借りがありということだ
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