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そうぼんやりと考え事をしていたからなのか、自分が目の前にある木へと突っ込んでいっていることに、気付くのが遅れてしまっていた。
「やばっ!」
慌てて木を避けようとするものの、気付くのが遅れたのだから当然対応も遅れ、ボードは木に激突すれば、勢い余ってリンネルの体は放り出され、宙を舞っている。
「──っ!?」
放り出されたリンネルは木々を飛び越え、どうやらそこが森の終わりだったらしく、視界を埋め尽くすほどの木々が消えた。
しかし、森の終わりであると同時に大陸の終わりでもあったらしく、リンネルが放り出された先は崖。その下には海が広がっていた。
しかし、それはただの海ではない。触れた者の肉体を瞬時に朽ち果てさせ、あっという間に死に追いやる海、腐海だ。
このまま落ちれば間違いなくリンネルは着水。あっという間に体が崩れてしまい、御陀仏確定だろう。
「──っ!ストラ!」
慌てたリンネルが、同じように宙を舞って回転する自分のボードの名を叫んだ。
そのリンネルの声でボード、ストラは自動操縦モードへと変わり、腐海に向かって一直線に落ちていくリンネルを追う。
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