捜索

4/5
前へ
/40ページ
次へ
「なあ、ちょっと聞きたいんだけど」 「何?」 俺はクラスメートの吉田に声をかけた。 吉田は去年も同じクラスだったやつだ。 情報通で有名、なおかつ頭の回転も速く、成績優秀でもある。もちろん秘密主義者でもあるから、周りの信頼もある。 こいつに聞いたら何か手っ取り早くわかるだろうと俺は思った。持つべきは友人だ。 「演劇部の女子って誰か知ってるか?」 「女子?男子じゃ…」 「男子はいないだろ、確か。」 そう言うと、吉田は「ああ、そうだったな。」と言って考える動作を見せた。 「女子なあ…」 「…。」 俺は返事を待つ。俺の足りない頭ではコイツに頼ることしか思い浮かばなかった。 …頼むから何か手がかりくれよ! 「あ~…」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加