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今までＮＡＳＡは宇宙人の存在を想像上では肯定していたものの、実際に宇宙人がいるという報告はして来なかった。
もちろん噂では、既に宇宙人とコンタクトを取っているとか、地球人よりも優れた宇宙人の科学を学んでいるとか、水面下では様々な憶測が飛び交っていた。
でも決定的な証拠も無ければ、ＮＡＳＡ自身もそのような事は何も認めていないし、世界に向けても発信していない。
結局宇宙人はいない事になっていたのだ。
でも、５年前に初めてＮＡＳＡは公の場で宇宙人の存在を認め、更には人間と同じ形をした宇宙人とされる少女の写真も公開した。
そして当時の僕にはまだ理解出来なかったけど、地球外生命体である根拠なども事細かく説明して、更に、その根拠を裏付ける為に全世界同時生中継で証拠を発表すると言って世間の関心を煽り立てた。
僕も当時７歳と幼いながら、その日が来るのを指折り数えて待っていたのを今でも鮮明に覚えている。
ところが、全世界同時生中継前々日に突然事件は起きた。
ＮＡＳＡが宇宙人発見の発言を１８０度変え、調査側のミスが発生していた事が発覚し再度調査をした結果、その少女は宇宙人では無く普通の人間だったと発表し直したのだ。
当然全世界同時生中継も無ければ、その話題自体が無かった事になってしまった。
皆の期待が大きかっただけに世界は呆れ返り、当時口を揃えてＮＡＳＡを批判した。
よく嘘をつく人を見ると、
「ＮＡＳＡでしか働けなくなるぞ」
という嫌味な言葉がクラスで流行した程だ。
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