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恐らくこれは、2022年7月にトルベラと呼ばれている場所で撮影した写真の可能性が極めて高い。
僕はそう思った。
そして、全神経を脳に集中させしばし考える。
母が最後に僕に伝えたかった事、それはこの「トルベラ」と呼ばれているであろう場所の事。
消えかけた命で僕に伝えようとした。
僕にとって、もしくは母さんにとって大事な場所だからこれを僕に知らせた。
これ自体に意味が無いという事は考えにくい。
僕は左手の人差し指でポリポリと鼻の頭をかきながら、更に深い思考の世界へと突入する。
ここまで集中すると、冷蔵庫のエンジン音も、換気扇の回る音も、もう何も聞こえない。
きっと電話の音でさえも耳に入って来ないだろう。
説明し辛いんだけど、こういう時の僕は頭の中に自分を放り込んでいる様な感覚で、そこである程度の考えを導き出すまで体は常に仮死状態にでもなっているような気がする。
本当はきっと心臓も腎臓も肝臓もちゃんと機能していると思うけど、例えるなら僕にはそう感じているという事だ。
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