ロビン・アルベルトの宿題

美しい悪魔

別に不倫をしている訳でも、借金を背負っている訳でも無い。

聞いた話だから全部が本当かどうかは分からないけど、ある日突然「人格そのもの」がおかしくなってしまったそうだ。

ブーデルとは仲が良くて、今現在、僕にとって唯一の親友と呼べる存在でもある。

昔はよくブーデルのうちに遊びに行っていたからお父さんの事もある程度は知っている。

僕が知っているブーデルのお父さんは、車屋の社長をしていて、大熊のように立派な体格をした人。

性格も見た目通り豪快な人だ。

そして政界にも幅広い人脈があって、この町の人からも一目置かれるような存在だ。

いや、正確にはだった。

１ヶ月前のある日、いつもは遅くなっても夜中には帰ってくるブーデルのお父さんが、珍しく朝帰りの日があったらしい。

仕事が忙しかったのか、それともお酒を飲んでいたのかは定かではないけど、その日を境に突然おかしくなったそうだ。