ロビン・アルベルトの宿題

美しい悪魔

ブーデルのお父さんは目をギョロっとむき出しにし、正気を失った表情をしている。

目の前に映っているブーデルのお父さんは、僕の知らないブーデルのお父さんだった。

何１つ動いている訳じゃ無いけど、どう考えても表情がおかしい。

はっきり言って、この表情はホラー映画とかで良く見る殺人鬼の表情だ。

僕は驚きのあまりその場から動く事が出来なかった。

そして次の瞬間、ブーデルのお父さんは小さなビニール袋を自分のポケットから取り出し、

さっき学者が吸っていたタバコの吸殻を灰皿から１本抜き取りその袋に入れ再びポケットへとしまった。

しばらくすると学者が席に戻ってきて、その時にはブーデルのお父さんの表情はいつもの表情に戻っていた。

一体、僕の目に映ったあの一瞬の出来事は何だったのだろう。