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ジリジリと焼ける様な日差しにも関わらず、僕は背筋に走る戦慄に何処かひんやりとしたものを感じていた。
驚きと恐怖が入り混じって声にならない。
あの表情、あの行動は一体何だったのだろう。
しばらくして、全身の自由を奪う金縛りから開放された僕は、足早にその場を後にした。
帰り道、何度も何度もさっきのブーデルのお父さんの表情が頭の中をよぎった。
そういう事があったから、僕は聞いた話を全面的に信用した。
だって、あの表情は尋常じゃ無かったから。
そんな出来事が1ヶ月前に起きた。
ブーデルのお父さんの病名は間違いなく【LS】だ。
だから今ブーデルもさぞかし大変だろう。
ブーデルだけは僕の事を未だにレオと呼ぶのに、さっきは
「変わり者のスレイド」
と冗談半分でおどけて見せた。
ホントは苦しい筈なのに気丈に振舞っているブーデルが少し痛々しかった。
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