第一章~自分の瞳で世界を見てくる~

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「敵襲!敵襲だぁー!」 見張り番による声が村全体に響きわたる。 「敵襲だと?敵の規模は?」 すぐ近くに待機していたラインが見張り番に尋ねる。 「村全体を囲むようにして陣があり、その数は百近くになるかと」 「百だと!……ただの山賊にしては多すぎる」 このテレスの村は工業的な発展は乏しい。 しかし、その代わり豊かな土壌そして、立地条件の良さによる守りやすさ故に山賊に度々狙われていた。 「だとしたら……」 山賊でないとしたら、他に襲ってくるものが頭にない。 「とりあえずいつも通りの布陣を敷く。女子供の避難を優先して行わせろ!」 「了解!」 なれた様子でみんなが動き始めた。 そして、敵がテレスの村に突入してきた。 「あれは!」 一方ユリアンはいまだに家にいた。 「こんの馬鹿息子が!」 「いて!なんだよ親父!」 寝ているところを無理やり起こされたユリアンは、不機嫌な声で怒鳴り返す。 「敵襲だ。行くぞ」 「敵!……わかった」 ユリアンの顔は厳しく引き締まり、ベッドから飛び起き、二本の木刀をホルダーに提げ家から飛び出した。
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