1人が本棚に入れています
本棚に追加
「それでもなぁ……」
「ストップ!……その先は言わなくてもわかってるから」
ラインが何かを言いかけたのをユリアンは強引に止める。
「でもさ、俺は争いとか好きじゃないんだ。……だから継がない」
「そうか……お前らしいと言えばお前らしいが……」
「さってと、腹減ったし帰っかな」
そう言うとユリアンは立ち上がり、緩い坂道を下りはじめた。
ラインもしょうがなく後に続いて歩き出した。
「また逃げおって!それでも儂の子か!」
「うっさいなぁ!紛れもない親父の息子だよ!」
家に帰ると案の定父親の機嫌は悪かった。
「いいか、我がグレーデン流剣術はかつて帝国でも1、2を争ったほどの……」
「騎士が扱ってた剣術で伝統がある……だろ?もう嫌ってほど聞いたから覚えてるよ」
その話は聞き飽きたと言った感じでユリアンは言い放った。
「だったら儂が言うとおりその伝統を守らんかい!」
「……そう言うのが重いって言ってんだよ」
ぽつりとユリアンは呟いた。
最初のコメントを投稿しよう!