第一章~自分の瞳で世界を見てくる~

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「それでもなぁ……」 「ストップ!……その先は言わなくてもわかってるから」 ラインが何かを言いかけたのをユリアンは強引に止める。 「でもさ、俺は争いとか好きじゃないんだ。……だから継がない」 「そうか……お前らしいと言えばお前らしいが……」 「さってと、腹減ったし帰っかな」 そう言うとユリアンは立ち上がり、緩い坂道を下りはじめた。 ラインもしょうがなく後に続いて歩き出した。 「また逃げおって!それでも儂の子か!」 「うっさいなぁ!紛れもない親父の息子だよ!」 家に帰ると案の定父親の機嫌は悪かった。 「いいか、我がグレーデン流剣術はかつて帝国でも1、2を争ったほどの……」 「騎士が扱ってた剣術で伝統がある……だろ?もう嫌ってほど聞いたから覚えてるよ」 その話は聞き飽きたと言った感じでユリアンは言い放った。 「だったら儂が言うとおりその伝統を守らんかい!」 「……そう言うのが重いって言ってんだよ」 ぽつりとユリアンは呟いた。
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