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「こんな時にはやっぱこれだな」
ユリアンは腰に提げていた木刀を取り、振るい始めた。
「でやっ!」
ユリアンは考え事をする際は必ずこうする。
剣を持ち、疲れ果てるまで剣を振るう。
そうすることによって言い考えが浮かぶかららしい。
「……いつ見ても流石だな」
「んっ?何だ居たのかライン」
いつの間にか外に出ていたラインが、ユリアンに近づきながらそう言った。
「親父にこってりしぼられちゃったよ」
「ははっ、笑えんな」
「笑い事じゃない!お前のせいなんだぞ!」
ラインはいつもユリアンの代わりに怒られている。
それは、ラインにとってはお互いの言い分をわかっているから、どちらにもつけない。
ようは優柔不断なのだ。
「悪かったなライン。ほれ……」
謝りながらユリアンは木刀をラインに投げた。
「おっと!?」
「やるんだろ?」
「あぁ、いくぞ!」
そう言うとラインはユリアンに襲いかかった。
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