第一章~自分の瞳で世界を見てくる~

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「こんな時にはやっぱこれだな」 ユリアンは腰に提げていた木刀を取り、振るい始めた。 「でやっ!」 ユリアンは考え事をする際は必ずこうする。 剣を持ち、疲れ果てるまで剣を振るう。 そうすることによって言い考えが浮かぶかららしい。 「……いつ見ても流石だな」 「んっ?何だ居たのかライン」 いつの間にか外に出ていたラインが、ユリアンに近づきながらそう言った。 「親父にこってりしぼられちゃったよ」 「ははっ、笑えんな」 「笑い事じゃない!お前のせいなんだぞ!」 ラインはいつもユリアンの代わりに怒られている。 それは、ラインにとってはお互いの言い分をわかっているから、どちらにもつけない。 ようは優柔不断なのだ。 「悪かったなライン。ほれ……」 謝りながらユリアンは木刀をラインに投げた。 「おっと!?」 「やるんだろ?」 「あぁ、いくぞ!」 そう言うとラインはユリアンに襲いかかった。
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