第一章~自分の瞳で世界を見てくる~

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「なんの!」 ユリアンは提げていたもう一つの木刀で、ラインの攻撃を防ぐ。 ユリアンとラインは昔から二人で毎日組み手をしてきた。 「まだまだ!」 そうすることによって互いの剣技を高めあってきたのだ。 「これで……終わりだ!」 ユリアンは一瞬でラインの懐に潜り込み、下段から鋭い一撃を放った。 「くっ……!?」 ラインの持っていた木刀は、ラインのはるか後方に飛んでいった。 「今日も俺の勝ち!」 「負けたよ。やっぱり剣じゃお前には適わないな」 ニンマリと笑うユリアンに、ラインは降参と言った感じに手を振った。 「俺にはこれっきゃないからな」 ユリアンは落ちている木刀を拾いながら言った。 「ユリアンももうちょっと勉強もしたらどうだ?バカじゃ騎士になってから苦労するぞ?」 「勉強なんて楽しくねぇもん」 ぶすっとした表情でユリアンは空を見上げる。 「まぁ、そう言うと思ったよ」 それをみたラインはやれやれと言った感じに言った。 「それに……お前がいるだろ?」 「はっ……?」 「だから、俺にはお前がいるからいいんだよ。俺たち二人で一人前だろ?」
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