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「なんの!」
ユリアンは提げていたもう一つの木刀で、ラインの攻撃を防ぐ。
ユリアンとラインは昔から二人で毎日組み手をしてきた。
「まだまだ!」
そうすることによって互いの剣技を高めあってきたのだ。
「これで……終わりだ!」
ユリアンは一瞬でラインの懐に潜り込み、下段から鋭い一撃を放った。
「くっ……!?」
ラインの持っていた木刀は、ラインのはるか後方に飛んでいった。
「今日も俺の勝ち!」
「負けたよ。やっぱり剣じゃお前には適わないな」
ニンマリと笑うユリアンに、ラインは降参と言った感じに手を振った。
「俺にはこれっきゃないからな」
ユリアンは落ちている木刀を拾いながら言った。
「ユリアンももうちょっと勉強もしたらどうだ?バカじゃ騎士になってから苦労するぞ?」
「勉強なんて楽しくねぇもん」
ぶすっとした表情でユリアンは空を見上げる。
「まぁ、そう言うと思ったよ」
それをみたラインはやれやれと言った感じに言った。
「それに……お前がいるだろ?」
「はっ……?」
「だから、俺にはお前がいるからいいんだよ。俺たち二人で一人前だろ?」
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