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「父さんや母さんを殺したのは俺だった…」
ティガはその時、12歳。
覚えたての銃撃の初めての利用が、亡者と化した父と母の命を撃ち抜くことであるなんて少年は思ってもいなかっただろう。
「仕方なかったろ?感染してたんだから。やらなきゃ、やられてた」
「…そうだな」
その言葉はまるで、自分に言い聞かせるようなものだった。
「俺はまたそういう場所に行って、ちゃんと行動できるか不安なんだ」
「バカか!お前は!」
ウォンに頭を思い切り叩かれる。
「痛った!」
「そんなんで親父さんたちに顔向けできんのか?」
殺したのは自分で、父母は恨んでるかもしれない。
「だからこそ…戦えと」
「ああ。第一、仕事だろーが」
体験してもない同期にここまで怒られるとは。
自分で望んだのに、自分は恐れていた。
「認識したよ…腹括って戦えるようになるさ…」
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