プロローグ

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里奈は口の横にご飯粒をくっつけながら 「ねぇねぇ、明日の入学式私も行ったほうがいいのかな?」 と、なんとも理解しがたい言葉を発してきた。 「何でお前まで来るのさ?母さんが来てくれるから良いだろ。」 「あー、お兄ちゃんには言ってなかったんだっけ。お父さんもお母さんも、今夜から明日の夜まで事務所に泊まりがけで仕事するらしいから入学式行けないんだって。さっき私の携帯に電話があったよ」 僕の両親は二人とも弁護士をやっている。だから時々忙しくて帰って来れないことがあるんだが、何も息子の入学式の時まで仕事をしなくてもいいじゃないかと思ってしまった。しかし、そんなことより 「普通僕の携帯にかけるだろ。」 一番重要なところにツッコミを入れることにした。
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