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第二咄―断金之友
「呉群、落としたりッ!!」
孫策持ち前の大声が、全軍に響き渡った。劉ヨウ、厳白虎、王朗との戦いに連戦連勝の快挙に、董襲や陳武などは喜びを分かち合い大史慈もようやく気を緩めた。
「お疲れ様です、殿」
肩の重荷を降ろした孫策に、一番最初に声を掛けたのは周瑜だった。
「公瑾……俺といるときは伯符と呼べと言っているだろう?」
「すまない……つい、な。私はまだ気が抜けてなかったようだ」
周瑜がそう言うと、孫策は快活に笑ってみせた。
「そうだな……せっかく呉群が俺達のものになったんだ、ついでに結婚するか」
孫策の宣言に、周瑜は目を丸くした。
「なんだ、伯符には見初めた女性がいたのか」
周瑜の言葉に、今度は孫策が目を丸くする。
「何言ってんだ、公瑾……お前も結婚するんだよ」
「なんだと!?」
周瑜は驚き、その場に棒立ちになった。その様子を見た孫策は周瑜の背中を二度叩くと、悪戯を思い付いた子供のような笑みを浮かべた。
「……喬玄殿の元に二人の美女がいるだろ、俺達で両方貰っちまおうぜ。義兄弟の順に合わせて、俺が姉で公瑾は妹の方な」
孫策の提案に、周瑜は二度程頷いて答えた。喬玄の娘であるなら家柄は申し分ないし、容貌も天下に知れ渡っている程に美人だった。
「……なるほど、確かにいい案だ。さすが伯符だ」
「だろ、確かに二喬と言えば絶世の美女だけどな……」
孫策が頷くと、周瑜もその意味を理解した。
「「俺達が夫なら、二喬も幸せだろう!!」」
二人が同時にそう言うと、お互い顔を見合わせて高らかに笑った。
―終―
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