Round1・生意気な奴

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  ムカつく。 ムカつく。 すげぇムカつく。       やもやしたものが、腹の中でざわめきだすのを感じる。     俺は、しばらくの間黙ったままそいつを見つめていた。             俺の視線に気づいたのか。   女は視線だけこちらに向けると、ため息をついて、本をぱたんと閉じた。        「一体何なんですか。用がないなら、睨むのやめてくれません?」   黒い瞳が真っ直ぐに俺を見る。 俺も見つめ返す。       「用ならある」   「なんなんですか?」   「お前に興味があるんだよ」   「はぁ…?私に?」   「そう、お前に」
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